ウチの犬＆アメリカ動物保健所の様子

一年前、セラピストと話していて私達夫婦は何もすることがないって気づいた。毎日、生活に追われているだけ。

アメリカに来てから、いつも飼おうかどうか決め兼ねていた犬。飼ったら色々面倒臭いなって思っていた。でも、何もする事無いんだから面倒臭いのもいいんじゃないって思えて犬を飼う決心が付いた。

私が小学三年生の時、飼っていた文鳥がいた。とても可愛がっていた。いつも部屋に放して一緒に遊んでいた。でも不注意で開いている窓から逃げてしまった。私は夢中でピッピーィィーー（文鳥の名前）と叫んだ。そしたら、文鳥が戻ってきた。私達は友達だねっと誓った。ある日、鳥かごを覗くと文鳥が倒れて息途絶えていた。すっごくショックだった。だってそれは、私が餌をあげるのを忘れていたから。水も空っぽだった。

夫はこの話しを知っている。かなり引いていた。
でも大丈夫、もう大人だから。

それから私は初めて犬を飼うから子犬より成犬の方が言いだろうってことでSPCAで探す事にした。成犬だとトイレットトレーニングがされているから。SPCA←日本の保健所みたいな所。と思ってたけど今ネットで検索したら正式名称がこれで→「Society for the Prevention of Cruelty to Animals」日本語に訳すと→「動物への残酷を予防する協会」とおどろおどろしいけど尤もな名前だった。そしてSPCA通いが始まった。

SPCAにいる時点で全ての犬は去勢させられる。みなしごを無くす為だろう。犬はそれぞれ個室のフェンスに入っており、自己紹介のメモが張ってある。犬種、歳、性別、トイレットトレーニングはされているか、子供にも安全か、一人でお留守番できるか等など。

人気の犬種は預けられたその日に里親が見つかる。いつも残っているのは超大型犬だ。そして里子に出す人も多いが、里親になる人も多いのが救いだ。

夫は子供の時に犬を飼っていたが、私は飼っていないから犬の事が分からなかったけど、毎日通ううちに自分に合いそうなタイプが掴めてきた。そして三週間目にメス8歳のビーグル犬と出会った。カスターと言うかわいい名前が付いていた。SPCAに行ったことがあれば分かるが、人が入ってくると犬達が早く出してくれとばかりに鳴き始める。その中でカスターは、いつも大人しくていつも怯えていた。元気いっぱいの犬より、大人しい犬の方が私には合っている気がした。

カスターの前の飼い主はもう一匹犬がいて今度アパートに引っ越すから二匹は飼えなく、飼って二年と日が浅いカスターの方を里子に出した次第だ。ってことは二年前にもカスターは里子に出されたと言う事だ。

引き取りの日、SPCAの名札を受け取り犬の首輪に着け、手数料三千円くらいを支払う。この年の予防接種はSPCAで無料で済まされている。

私達が手続きをしていると同じく手続きをしているカップルがいた。そのカップルの女性がカスターに向かって「良かったわねー良いお父さんとお母さんに引き取られて」と言った。飼い始めて分かったけどアメリカ人は犬の飼い主をお父さん、お母さんと呼び合っているみたいだ。そうゆう呼びかたって嫌だな、なんか子供を諦めちゃった夫婦みたいで。だからお父さん、お母さんって呼び合うのやめようねと夫に言っておいた。しかし、現在夫は自分達の事をお父さん、お母さんと犬に向かって呼んでいる。そして自分の母親には孫犬と言っている。私はいつも自分達の名前は空欄状態だ。犬に向かって名前を言わなくても通じるし。

カスターの乳房は大きく垂れ下がっている。きっと出産経験があるのだろう。どこかでカスターの子孫がいるなんて不思議だな。小さく見積もっても私達がカスターにとって三番目の飼い主だろう。もし、カスターが話す事が出来たら波瀾万丈な人生を語ってくれそうな気がする。

カスターが来てもうすぐ一年になろうとする。カスターは今でも大人しくて良い子です。私はカスターから犬の飼い方を教えて貰ったような感じかな。
カスターを見ていると面白いから、夫婦で笑えるし、飼って良かった。

最近PCにばかりに構っていたら、今日カスターが私の膝の上に乗って甘えてきた。ちょっとびっくりした。ご飯だけじゃなくて愛情も毎日あげないと駄目なんだね。ごめんよ〜。

私達もアパート問題が浮上してきたから、犬が飼えるアパートが見つかるかどうか心配。カスターはもう歳だし私達が最後の飼い主にしてあげたいと思っているんだけど、どうなることやら。夫は絶対どこにも手放したくないって言っている。私もそうしたいよ、でも最悪の場合は仕方が無いと諦めている。お父さんと呼ばせている人と、そうで無い人との違いかな・・・。

P．S．
毎日忘れずご飯と水はあげてますぅ。愛情も♪