長いものに巻かれちゃダメ

アメリカに来るまでの私の人生、怒ったり泣いたりしたこともあったけど、手が震え全身の血が逆流するようなそんな怒りはアメリカに来てから初めて味わった。それも一回だけじゃないんだよね。

先日のバイトはムカついた。全然仕事しないオバサンと女子高生。ずーっとしゃべりまくり。だから客も遠慮して私の所ばかりに来る。頭に来たから、アンタ達全然仕事してないじゃんって言ったら、陰険な態度で応戦してきた。私の事を無視で決め込んだらしい。

今日、社長に一部始終言ってやった。社長は私の事を信じてくれたみたい。私は他の社員に聞いてもいい、他の人も彼らは全然仕事しないのを知っているからって。

夫に言わせると、彼らが何もしなければ私も何もしなければいいと言う。

実家に電話したら珍しく父親が出た。この話しをしたら、レイコらしいなって言われた。長いものには巻かれろじゃだめ、言いたい事を言わないとストレスが溜まるからな。私が怒った後、これってお父さんに似ているなって思ったよっと告げたら、苦笑いしてた。

辞書によると長いものに巻かれた方が得策みたいだよ、お父さん。

私は子供の頃から結構父のことが嫌いだった。でも、大人になるに連れてどんどん父に似てくる。なんでかな。私が小さい頃、父は何度か転職してた。ある転職の時、母がこぼしてた、お父さんは我慢が足りないって。今なら分かるよ。自分の中の正義ってあってもいいじゃんって。それで家族が路頭に迷うのもなんだけどさ。

色んな事思ったら、もう辞め時かな。だったら、夫の大学の近くに引っ越すことに決めた。だから、辞めるまでオバサンと女子高生のシフトは外してもらった。

今回だけじゃないんだよね。いつもアメリカ人の狡猾な態度に私は翻弄されてきている。その度に、怒ってきた。面と向かって。その分、自分が一番傷つくのも知った。

前の職場で態度が悪い女性に、「さっきとても気分が悪かったんだけど、あなたのその悪い態度で」って言ったら、さっきはごめんねって謝ってきた人もいたんだよね。私、言わないと気が済まないの。だって我を見失うほど、怒りの沸騰点に達しちゃってるから。自分って温厚な奴って思ってたけど、これじゃ違うみたい。よくある文句で転職で新たな自分を発見してみませんかって、それって別の意味で私って感じかな。

やっぱり私、アメリカ人と一緒に働けないごめん、って夫に言ったら、もういいよって言ってくれた。子供もいないのに専業主婦ってどうなんだろう。働くの好きな方なんだ、でももうここ（アメリカ）じゃもう働けない。そんな国にこれからも住み続けるのってどうかなって思ったりもする。