タダの代償 

2006年8月12日 日常
日本に滞在中の出来事。母と姉が夏物の衣替えをしていて、ついでにクローゼットの整理もしていた。

母がシャネルのバッグを出して「これ、使わないからレイコにあげるよ」と気前良くくれた。多分、母は私が貧乏でブランドのバッグも持ってないから可哀相と思ったのだろう。

そしたら姉が「レイコばかりずるい!」と異議を申し立て。

母が「お姉ちゃんは、ヴィトンとかプラダのバッグを沢山持っているからいいじゃない」とたしなめるように言ったら、姉が「だってそれは自分のお金で全部買ったんだもん」と言った。

若い時に結婚して勝手に貧乏してブランドのバッグ一つ買えないのも私の人生で、独身で給料の殆どがお小遣いなのも姉の人生で、どちらも自由と平等って訳だ。

姉の一言でそれを感じ取った私は「じゃー要らない」とバッグを戻した。

翌日、姉が出勤した後に母が「レイコちゃん、シャネルのバッグは持って帰りな。お母さんは使わないから」と言ってくれたけど「えーいいよ、お姉ちゃんが知ったらうるさいから」と断ったら、「いいから、いいから、お姉ちゃんに内緒にすればいいから」と押し返してきた。

母から見れば歳も変わらぬ姉妹が片やブランドばかり持っていて、片や安物ばかり持っていて不憫に思えたのかもしれない。姉は自分で稼いで買った物だし、私は買えない代わり専業主婦とかして楽しているし。

電話で夫に相談したら「お母さんがくれるって言うなら貰った方がいい。持って帰るんだぞ!」と何度も言った。ファッションに疎い夫でもシャネルのバッグの価値くらい分るようで、せっかくのチャンスと思っているみたいだ。

取り合えず貰ったバッグは私の側に置いておいた。

でもね、色々と考えた。親も年だし母が亡くなった後に形見分けをした時、私がこのシャネルのバッグを貰ったことによって、姉妹の輪が乱れたり、私に不利な相続や形見分けになったら面倒になるだろうなって。

姉はブランドのバッグを沢山持っていても、妹がタダでシャネルのバッグを貰う事に大いに不満を抱くくらいだから、今バッグを貰ったら後々ただごとじゃ済まされないと予想される。私の中で危険信号が点滅しているのが分った。

貰ったら危険だ!これは危ないぞ!ってね。

だからアメリカに帰る荷造りをしている時に、母から貰ったシャネルのバッグを黙ってクローゼットに戻しておいた。これでいいのだー。

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唯

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